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アベンジャーズ/エンドゲーム

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MCU最高傑作は紛れもなく前作の『インフィニティー・ウォー』だと思う。

序盤中盤終盤全てにアクションがあり、予想のつかない展開に物語も一秒たりとも飽きさせずに観れる。『帝国の逆襲』に負けない衝撃に敵役も魅力的で丁寧に描かれていた。ヒーロー達の敗北、全宇宙の生命の半分が消滅しヒーロー達も灰になって死んでいく、目を背けたくなる光景をヒーローと観客はただ見ていることしかできない。

サノスは目的を達成し新たなる世界の日の出を満ち足りた表情で見つめて終わる。

迫力満点で喪失感、絶望感に包まれた前作インフィニティー・ウォー上映後の劇場の風景はまるで葬式帰りかのようでした。それほどインフィニティー・ウォー鑑賞後は拍手喝采したくなるほど完璧で様々な感情が揺さぶられる凄まじい映画でした。

 

記憶に残る魅力溢れる悪役は片手で数えきれるほどで過去作のマーベル映画の弱点であった魅力のない悪役を克服したのが前作『インフィニティー・ウォー』でのサノスだった。数々の困難を乗り越えサノスの意見には納得する部分もあり、一人のキャラクターとしてあれ程魅力的に描かれていたキャラクターは指を鳴らしたと同時に灰になって消えてしまったのだろうか?今作のサノスには深みがなく、ただの極悪キャラにしか感じない、だが極悪キャラになったぶん心からヒーローの応援をしたくなる映画作りになっていた。苦労の過程を抜かして野望を果たそうとする過去のサノスは『インフィニティー・ウォー』のサノスとは違い浅いマーベルの悪役になってしまった。MCU最終章に相応しい悪役だったのは間違いないが。

 

インフィニティー・ウォーで勝率14000万分の1の未来を覗いたストレンジの

「勝ち筋は一つしかない」「こうするしかなかった」

タイムトラベルやる前にあれこれ突っ込ませないための予防線をきちんと用意してるあたり流石の一言。後から「こうすればよかった」「なんであの時こうしなかったんだよ」って観客が言うのは無意味ですからね。

バック・トゥ・ザ・フューチャー』やタイムトラベル系の映画は嘘やでたらめだと台詞がありましたが、エンドゲームも同じタイムトラベル映画ですから、

こういう台詞やネタを入れるあたりタイムトラベル系の矛盾点は突っ込まないでねって感じなんでしょう。

 

良くも悪くもヒーロー同窓会のファンムービー

MCUファンであるかないかで今作のストーリーの受け取り方は全く違うものに感じる『エンドゲーム』はMCU映画を全編観てきた人達にとっては最高の映画なのは断言できる。

今までの単体映画やお祭り映画だった前作の『インフィニティー・ウォー』は初見の人も楽しめる映画だったが、今作は初見の人でも楽しめる物語の構成ではない。

10年の集大成である今作に限っては初見でも理解して楽しめるルールを一切忘れて本当にMCUを追ってきてくれたファンがなにを見たいのかどうすれば喜んでくれるかってのを考えに考え抜いた映画に感じました。ファンが観たかったものを期待以上に応え『エンドゲーム』はすべてのMCUファンに捧げられた最高の贈り物でした。

本作ではヒーロー達と一緒にMCUの歴史を振り返り再び前に進んでいくというこれ以上ないファンサービスを見せてもらいました。

初期アベンジャーズ6人の物語にしていることに製作陣の愛を感じ、卒業するキャストや製作陣の思いをこれでもかとぶつけられる三時間でした。

 

希望と絶望のバランスが絶妙な構成。三時間とMCUイチの長丁場でしたが時間経過を感じさせないストーリー運びは見事。

サノスとの決着、MCU10年間22作品の終止符を打つ最終章であること、シリーズ物では巧みな技術が要求され支離滅裂してしまう作品も少なくない。

極めて難易度が高い物語を映画全体から伝わってくる製作陣の揺るぎない自信と整合性を保った物語。オマージュや小ネタ、過去作に貼られた伏線を回収しMCU作品の全てを網羅し総括する、監督“ルッソ兄弟”とプロデューサー“ケヴィン・ファイギ”の力量と構成力が完璧すぎて恐怖すら覚えます。

 

全人類の人口が半分になり活躍してきたヒーローも大勢消え。映画前半から暗い雰囲気だった映画を今作『エンドゲーム』のネビュラに何度笑わされただろうか、作品を明るく纏め上げ、ネビュラ以外のキャラクターもきちんと活躍させ作品の引き立て役にする、キャラクター一人一人に命を吹き込み愛を持って描ききった製作陣、MARVELはキャラクター作りのお手本であり教科書ですね。これほど熱中するキャラクターを生んだ父、スタンリー。この感動は一生忘れることはないしこれからも記憶の中で生き続けるヒーローです。

 

「私はアイアンマンだ」アイアンマン一作目でのロバート・ダウニー・Jrのアドリブ台詞、その名シーンをエンドゲームの最後に組み込むセンスに痺れるしヒーロー達がガントレットをバトンのように繫いでいく姿は涙なしには見れない。

ドクターストレンジの人差し指をトニーに向かって立てるシーンやキャップがムジョルニアを手にして戦う演出やビッグ3がサノスに向かっていく姿、今作のエンドゲームだけで好きなシーンは数え切れません。

絶望的だったアベンジャーズのもとにサノスの指パッチンで灰になった仲間達が残された仲間達のおかげで蘇りストレンジの魔術で開いた扉で全員集合、絶望的だったシーンからキャプテン・アメリカの「アベンジャーズ アッセンブル」最終決戦に相応しい最高のタイミングでの台詞にテーマソングの"The Avengers"スクリーンいっぱいにヒーロー達が集結し映像、音楽、全てが圧巻である。

10年MCUを観てきたカタルシスが大爆発する瞬間でした。全員集合から「アッセンブル」の流れで感極まって泣いてしまった。流れが完璧過ぎだ、蘇って消えた仲間達が駆けつけてくる演出はインフィニティ・ストーンを完成させた時点で予測できるがわかっていてもその予想をはね除ける最高の演出だった。終盤での怒涛の展開はもう最高でした。

 

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』からペギーとの約束を果たせなかったキャプテン・アメリカがついに長い時を経て恋が実り第二次世界大戦から現代まで長い年月をかけキャプテン・アメリカに平和な日々が帰ってくる喜びを感じさせると同時に流れる“It's Been A Long, Long Time”ピッタリの選曲だろう。

1945年 第二次世界大戦の連合軍の勝利と夫や恋人の帰還を待ちわびていた人達の心情に終戦の喜びを代表する歌。

エンドクレジット後のアイアンマン・マーク1を自作する音

MARVELはアイアンマンで始まりアイアンマンで終わる

MCUが始まって10年間トニーの成長物語、キャプテンの純愛ストーリー、ソーの新たなる旅立ち、未来の戦士にバトンを引き継がれた

「インフィニティ・サーガ」の終焉にふさわしい、これ以上ない納得のいく終わらせ方でした。

 

ルッソ兄弟の偉業を心から讃えます。

本当に最高で濃密な三時間でした。3000回愛してる。

様々な映画を観てきたけど、これでもかとワクワクさせられ、キャラクター達を心から応援したくなる映画は初めてかもしれない。

10年にわたって21本の映画で描かれた世界を一つの映画に集約させ完成させた映画がいまだかつてあっただろうか

映画史に残るであろう偉大な映画シリーズを初日に見れて

MARVELヒーローの物語をリアルタイムに経験出来て本当に幸せでした。

笑いあり涙ありの史上最強のエンターテインメントでした。