四街道

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13の理由

あらすじ

自殺してしまった高校生のハンナ・ベイカーの死が悼まれる中、同学年だったクレイ・ジェンセンのもとに宛先不明の箱が届く。箱の中にあったのは7個のカセットテープ。そこにはハンナが自殺に至った13の理由が録音されていた。

 

現代の日本でも問題になりつつあるネットリテラシーの崩壊「自殺・いじめ」をテーマに真っ向から向き会い。そんな十代の心をまっすぐに捉え、立ち直ろうとする若者たちの多種多様な姿を映しだしているドラマです。

配信されるや否や10~17歳のアメリカ人の自殺率が29.8%も増加したNetflixで配信されている「13の理由」、その理由から配信当初は、ハンナが自宅の風呂場で剃刀で手首を切り自殺する場面は現在では再編集された映像に差し替えられている。

シーズン1鑑賞後、自身も興味本位で削除された映像を観たが、淡々と醜く少女が苦しみ悶えながら死んでいく姿はリアルで自殺の痛ましさが描かれていた。自殺を美化しているとは感じないが、彼女の自殺が原因でハンナと関係のあるドラマの登場人物はハンナに人生を支配される。思春期の不安定な時期や精神が弱っていたりハンナと同じような境遇で自殺を選択してしまう人には「死んだら皆、自分を思い出す」とか違う見え方に見えるのかも知れない。この作品に背中を押されハンナと同じ選択を選び「13の理由」が批判されてしまうのは否定できないけど一線を越えてしまう人ってこの作品以外でも環境や何かをきっかけに一線を超えてしまうと思う。

私も虚無感や人間関係が原因で死にたいと思ったことがあるし、死にたいと思ったことがある人間は少なくないと思う。死にたいと思っても恐怖や冷静になって留まる人が殆どだと思う。本当に死を選ぶ人って恐怖を抱えていてもその一線を越えてしまう。

ドミノ倒しのように訪れる負の連鎖に「私はもう死ぬしかない」という視野の狭い選択しか解決策がない。冷静に客観的に判断ができない状態だから自殺を選択してしまう。

勇気を出して「助けて」と打ち明けれたら、彼女に寄り添い彼女の気持ちに気付くことができていたら。ハンナは助けてほしいと自分の思いを遠回しに告げるけど決して「助けて」と言葉にはしない。誰かに気づいてほしいけど自分からは言えない。そばにいて、助けてと周りに助けを求める行為って恥ずかしい事でも悪い事でもないけど言葉にできない。辛くて苦しいと考えているうちに冷静に考えられなくなる。助けを求める相手を間違えたら。自分の胸の内を明けて拒絶や否定されたら。助けを求める側も様々な葛藤がある。

私は小学生の頃に吃音症が原因で言葉の教室に通い発音練習など支援を受けていました。支援と言っても堅苦しいものではなく吃音に伴う発音への不安や緊張を緩和するための会話やレクリエーションがメインで、昨日何食べたとか何して遊んだとかコミュニケーションが殆どで訓練しているかどうかわからないような感じでした。

周りからの虐めや偏見もなく小学校を卒業する頃には喋りに苦労することはなくなっていた。当時スムーズに喋ることができず周りの子供とは喋り方が違う原因で虐められていたら環境が違っていたら現在も吃音に悩まされハンナと同じように死を選び自殺に至ったひとつの理由になっていたかも知れない。他者の気持ちを完全に理解することは絶対に無理、だからこそ日々のコミュニケーション、サポートすること、助けを求めることの重要性。

でもどんなに理不尽なことがあっても結局は本人とその周り次第で「最終的には本人が決めたことだから」「戦う気がないなら、泣き寝入りするしかない」のが現代社会の考えで悲しく難しいところですね。